針について

 問題の針である。鮎の掛けバリは一体どの位の種類があるのだろう?昔であればキツネとかトンボとか基本となる形が幾つかある程度だったが、現在は千差万別、形も大きさも太さも非常に沢山のバリエーションがある。釣りの雑誌を見ても、針合わせが云々など解説も多々ある。しかし、この無数ともいえる種類の中からベストの針を選び出すのは、よほど針に精通しているあるいは開発に携わっている名人でなければ困難であろう。しかし、針合わせが重要なのも事実である。釣果が倍になることは無いと思うが、1割、2割の差は出てくるかもしれない。特に問題なのはバラシ。ケラレ程度ならば、釣果に大きな差は出ないが、やっと掛けた野鮎が空中でバレたらその後の釣りに大きな影響を与えてしまう。1尾差を競う試合ではまさに致命傷である。ということで、針合わせというか、針使いの考え方について若干ふれたい。
 まず、針の種類であるが、大きく分けると早掛けタイプとキープタイプ。文字通り前者は掛かりの早さ重視。後者は掛かりは遅いがバレにくい針である。一般的な形の特徴としては前者は針先がストレートで、針先が軸の端と同等かそれよりも外側に向いているもの、後者は針先がやや内にカーブしており、軸の端よりも内に向いているもの。場合によってはヒネリが入っている。まずは、使う針をこの両極の2パターンに分けることが基本である。
では、最初に使う針はどちらか?というと、気分的なものもあるのだけれど、時間が掛かっても慎重に1尾めをゲットしたい時はキープから、ある程度入掛かりが期待出来、バラシの失敗を直ぐにカバー出来るなら早掛けタイプから入ることが多いかもしれない。大事なのは、釣りをしながらバラシが多くなったり、ケラレが多くなった時に、直ぐに違うタイプに切り替えること。どの方向が正解かは簡単には説明できないが、早掛けタイプを使っていて、バラシが多いようだったらキープタイプ。あるいは、キープを使っていて明らかに掛かりが遅くなったり、ケラレが多くなったら早掛けタイプに切り替えることである。とにかく、一種類の針にこだわるのではなく、常に違うタイプの針に替えていき、その中から最もペースが良い針を使うべきである。とはいっても、よほど釣り込んでいないとこの感覚は難しい。では、どうしたら良いのか?とにかくマメに針を替えること。替えるきっかけは、バラシ、根掛かり、ケラレのタイミング。これらの事が起こったら、迷わず針を替えるべきである。その際には、自信を持って使っている針以外なら、タイプを替えることである。それでも改善されなければ、針の大きさやイカリの本数を替えるしかないが、このうち針のサイズについては、私の場合は、針の号数は6.5号〜7.5号が基本で、鮎の大きさで切り替えている。最も超チャラ瀬では鮎のサイズではなく、針の軽さを号数で選ぶ場合もあるが、基本的には釣れる鮎の大きさで針の大きさを替えることで大きな間違いはない。基本としているのは平均サイズが17p以下は6.5号、17〜20pであれば7.0号、それ以上が混じるのであれば7.5号程度で良い。次にイカリの数であるが、私は99%4本イカリを使用している。しかし、極希に3本イカリも使用する。それは、あまりにもバラシが多い時。こういうケースは滅多にないのだが、1度だけ、劇的に変化が見られた時がある。TOYOTAカップの初年度。白石川での全国大会をかけた決定戦。試合開始から4連チャンでバラシ。この間針のタイプを替えても全く改善無し。やっとバラシが止まったのは4本イカリから3本イカリに切り替えてからである。4本イカリに比べて、3本の方が針の食い込みが良いため、バラシは少ないとされるのだが、ここまで顕著な経験は無い。逆に言えば、大抵のケースであれば、針のタイプを替えれば対処出来るということである。とにかく大事なのは針の交換はまめにすること!ちなみに試合であれば1尾1本と考えている。そのくらい針の交換は重要だし、経験を重ねれば体験することもあると思うが、面倒くさがって針を替えないで釣っていると、やたらとケラレが多くなり、変だなと思って針をみると針先が曲がっていたなんてこも多い。針のタイプに迷う必要は無いが、針交換は迷わず実行である。


キープタイプと早掛けタイプの違い。
一般に、針先が軸の端より内に向いているのがキープタイプ
逆に軸の端より外側に向いているのが早掛けタイプ