名人ねもの鮎釣りウンチク


 このコーナーは自称鮎トーナメンターである名人ねもが、鮎釣りの初級者の一助とするべく、勝手に鮎釣りウンチクを語るコーナーである。自他ともに名人あるいは上級者と認められている方々にとっては何の役にも立たないコーナーですのでご注意下さい。

ということで、今回は「名人ねも鮎釣りを語る」と題して、鮎つりの歴史と魅力について
だらだらと書かせて頂きました。あまりにも長くなってしまい。肝心のウンチクまで入れませんでしたので、体力と気力が回復次第更新します。
なお、はっきり行って面白くないと思いますので、読んでから怒らないように。

初めての友釣り

 私の釣歴は、年数だけを数えれば30年余り。物心ついた時には近所の川でマブナやオイカワ等を釣っていた記憶がある。そして、成長するに従い行動範囲や対象魚種も増え、小学生の時には海、川を問わず釣りまくっていた。この頃は第一次釣りブームの頃で、テレビでは釣りキチ三平がヒットし、自分のライバルは三平しかいないと思い込んでいた頃である。海では黒鯛釣りに熱中し、川では河口から渓流までがターゲットとなっていた。今は見る影も無い?がまさしく天才釣り少年時代である。さて、鮎釣りとの出会いであるが、記憶が確かならば小学2年生の時が最初だったと思う。もちろん最初から友釣りをやったわけではなく、叔父に20km程離れた高瀬川に連れて行ってもらい、テンカラ(いわゆるドブ釣り)をやっていた。とは言っても毛針の種類にはこだわりがあり、○○釣入門で覚えた「青ライオン」や「イタリア中金」「新さきがけ」などがお気に入りであった。この頃は川の水も多く、ドブ釣りに適した大きな淵があちこちにあり、大人の人達も相当テンカラをやっていた。肝心の友釣りだが、当時この辺では友釣りは「オトリ」と称され、専ら熟練の年配者の間で行われていた。もちろん私のような小学生がやるべきものでは無かったし、だいいち竹やグラスロッドが中心の時代であったため、鮎竿ともなると3間半(6.3m)で500g以上という重たい竿になり、小学生に持てるものではなかった。また、オトリ鮎を手に入れるのも一苦労で、購入するのは解禁日くらい、普段はドブ釣りでたまに掛かる大きめの鮎をオトリに使っていた。やっと手に入れたオトリを使うということもあってか、なかなか友釣りをさせて貰うことは出来ず、友釣りは大人の釣りといったイメージが強かった。そんな中、最初に友釣りをさせてもらったのは、中学1年生の時だったと思う。その時のときめきというか、興奮はすごいものであった。その証拠に今でもその時の情景をハッキリと思えている。時は71日の解禁の日、場所は今でも好きなポイントの一つである高瀬川上流部の鷹巣橋上流であった。見よう見まねで竿を出したが、なかなかオトリ操作が出来ず四苦八苦した覚えがある。鮎はいつの間にか掛かっており、当たりも解らずに釣り続けていたのが記念すべき最初の一匹である。
 その後、高校生になる頃には、カーボン性の鮎竿も手に入れ、どうにか自分一人でも友釣りが出来るまでにはなっていた。しかし、川まで一人で行くには遠すぎるし、年に何度も行けるものではなかった。数も10尾も釣れれば良い方で、釣れない時も多く、友釣りの難しい印象ばかりが強まっていった。ここまでが、私の鮎釣りを始めたころの状況であるが、このような背景の中、私の釣りの中で友釣りは最上位の格付けとなっていったのである。

もったいない時代

 前述のように鮎釣りを始めた歴史は古いが、当分の間は初心者のまま年月を費やしていた。そして、その最たる時代は大学の4年間である。今にして思えば何ともったいない時間を過ごしたことか。それは、大学時代を鮎釣りのメッカ静岡県で過ごしていたからである。1年の時は狩野川の近く沼津市、2年〜4年は興津川、藁科川に近い清水市に住んでいた。もちろん全く鮎釣りをやらなかった訳ではなく、年に2、3回は、遊び程度の鮎釣りをしていた。では、何をやっていたかというと渓流や海釣りにはまっていたのである。特に海は福島とは魚影の濃さが段違いで、クロダイ、タチウオ、投げ釣り、スズキなど様々で、一つずつやっていてもあっという間に1年が過ぎてしまい、鮎の入る余地は無かった。いつしか鮎釣りはやったことがあるといった程度にまでなっていた。

本格的鮎釣りへパートT

 鮎釣りを本格的に始めることとなったのは、就職してからといっても良いと思う。それまで周囲には鮎釣りをする人はそんな多くなかったが、大学時代の友達が鮎釣りを始め、最初は大して相手にしていなかったが、いつしか私よりも釣るようになり、このままではまずいと思い始めたのが、最初の本気モード突入のキッカケである。自分では負けず嫌いだとは思っていないが、どうも他人から見ると負けず嫌いのようである。さて、この時代の鮎釣りは泳がせ釣りの全盛期といっても良い時期である。雑誌の記事に感化されやすい私は直ぐに虜になってしまい、おかげで10尾以上は安定して釣れるようになり、時たま20尾を超えるようにもなり、一応初級者程度までは進歩することが出来た。

本格的鮎釣りへパートU

 何事でも上達するときは何かキッカケがあるものである。私の鮎釣りでは、4年ほど前の会津大川での釣りがそれである。それまでの鮎釣りでは、本当に良いときで30尾程度、普通は1020尾程度の釣果であった。それが会津大川の解禁日に87尾もの釣果があった。今にして思えばあそこをこうすれば100尾は楽に越えていた筈と欠点も解るが、それでも、この時はいろんなことを学んだ。一日50尾以上の釣果を得るには、どの程度のペースで釣らなければならないか、あるいはどの程度でポイントを見切るべきか、数を釣るには手返しの良さや信頼できる仕掛け作りが如何に大切か等々・・・この日を境に平均で20尾はいくようになり、ようやく中級者と呼んでも良い程度になった。

競技への参加

 ある程度の自信が出てくると自分の力を試したくなるものである。初めて競技に出たのは、何と!鮎釣り競技の最高峰「鮎マスターズ」。場所は初めての河川「雫石川」。結果は当然惨敗。この時は試釣もしないブッツケ本番という無謀さもあったが、それにしてもトーナメンター達の壁は厚い。どんなに条件が悪い中でも必ず信じられない釣果を持ってくるのである。最初の内は参加するのが精一杯で、他の人を観察する余裕は無かったが、マスターズやオーナーカップに参加する中で、決定戦に残る人たちの釣りを見る機会も増え、彼らの釣りには非常に無駄が少ないことが解ってきた。特に入れ掛かりモードに入ったときの速さは凄い。まあ、このくらいにならないと時速10尾は無理だけど・・・・

鮎釣りの魅力

 前段が長くなってしまったが、本題の鮎釣りの魅力について語りたい。今までいろんな釣りをしてきたが、最も好きな釣りは?と聞かれれば「鮎釣り」と答える。では、何故鮎釣りなのか?自分でもハッキリした答えは見当たらないが、いくつか考えてみると、まずバックグラウンドとして、鮎釣りを始めた頃の鮎釣りの高貴さ、憧れがあると思う。冷静に考えればただの釣りの一つであるが、やはり子供の頃出来上がったイメージは大きい。いつしか自分の中で鮎釣りが最高峰の釣りとなってしまったのである。2点目は掛かる時の「来るぞ来るぞ!」「ガガーン」という瞬間。これは何度味わってもたまらないもので、瀬で掛かる時の強烈な当たりも良いし、今は少なくなったが、泳がせで目印が飛ぶような当たり、淵でのモゾモゾという当たりもあれはあれでたまらない。友釣りという独特のスタイルがもたらす、この電撃的な当たりは鮎釣りの大きな魅力である。ところで、引き味を魅力と言う人もいるが、私はそれほど重視していない。勿論ある程度の引きの強さは魅力だし楽しいが、50mも引きずられるのは困る。混雑する最近の釣り場ではまわりの人に気を使うし、第一ペースダウンに繋がってしまう。やはり鮎釣りは数を釣るのが楽しい。理想は22cm30尾である。次に最大の魅力と思っている競技性。私の釣りに対する勝手な嗜好では、競技性の無い釣り、言い換えれば他人と比べることが出来ない釣りは面白くない。確かに魚との知恵比べや対話といった世界もあるし、それはそれで面白いとは思うが、結果として得られるのは自己満足でしかない。釣り人という人種は、元来人への自慢をもっとうとするものである。自慢話を突き詰めていくと、最後は誰もが認める客観性が必要である。そういう点からすると競技性の強い魚種には魅力を感じてしまう。話は替わるが、釣りにのめり込んでいる人で、法定速度を守る人がいますか?いかに釣り人は他人より前に出たがるか解ると思います。

ここで、競技性の話をもう少ししてみよう。釣りの対象となる魚種は無限に広がるが、その中でも競技性の高い魚種は限られる。国内に限定すれば、その最たるものがヘラブナとバスである。では競技性の強さとは何か?それは単に競技会があるからとかではなく、なぜ競技会が成立し、それが盛んに行われているのかが重要である。私が考える競技性の強さとは、その魚を釣るための情報量(入力)とそれを元に対処できる手段(出力)のバリエーションが多く、正しい答えを導き出したときに再現性のある結果が得られることだと思う。また出力の際には言って以上の技術が必要ダルものである。前述の2魚種をこれに当てはめると、ヘラブナは知らない人からは当たりが小さくて合わせが難しいんでしょ?と良く言われるが、ヘラブナの難しさや競技性とはそんなレベルではなく、釣りの8割は頭の中で決まると言っても良い。刻々と変化する浮子の動きを読み、一投一投それに対処しながら餌、タナ、竿の長さなどを正しい方向へ修正していく、これが間違った方向へ行けば、全く同じ仕掛けで同じ餌で並んで釣っているにも関わらず、雲泥の差となってしまう。ヘラブナ釣りはじっとしていて体力の要らない釣りと思われがちであるが、これほど体力と精神力がないとだめな釣りは無いと思う。一方、バスはどうかというと、こちらは私自身本格的にやったことは無いので、大きなことは言えないが、テレビや雑誌で見る限り、ゲームの組み立てがやはり大きなポイントとなる。ただし、これはボートや魚探などの機器を使うことによって競技性が飛躍する。すなわち、広大な範囲からいろいろな情報を基に場所を選定し、その場所と状況に合わせてタックルを選定していくという点でやはり、入力と出力のバリエーションが豊富になっていくのである。

 さて、話を鮎釣りに戻すと、鮎釣りはこれら2魚種と比べるとさすがに競技性は薄れてしまう。それは、これら2魚種に対して入力や出力のバリエーションが決して多くは無いからである。基本的には状況にあった場所の選定とその場所、状況での釣り方。といっても釣り方はベタ竿による引き釣りと立て竿による泳がせに大別されるに過ぎない。まあ、細かい点ではハリ合わせや背針かノーマルかオモリか?などの選択はあるが、では、なぜそこに競技性が生まれるのか?それは、出力の部分で高い技術力が要求されるからである。タックルの一部に生き物であるオトリを使う以上、その部分のコントロールが難しい。如何に頭の中でゲームの組み立てが解っていても、そこに持っていくには高度な技術が必要とされるのである。ここが鮎釣りを難しくしている大きな部分である。しかし、逆に言えばこの部分をクリア出来れば、上級者への道もそう遠くは無いのでは?と思うのだが簡単にいかないのが鮎釣りの世界でもある。ところで、ゲームの組み立てという点では、先の2魚種の釣りは大いに参考になる。私は幸か?不幸か?ヘラブナの道へ入ってしまったが、それまでの釣りに対する考えが全く変わってしまった。魚が居るのに釣れない、並んで釣っているのに隣の半分以下等々釣りの組み立て次第でこんなにも釣果に差が出るのか?というのを身をもって体験している。本気ではやらない方が良いとは思うが、みなさんもちょっとはヘラブナをやってみてはどうだろうか?

 ということで、鮎釣りの魅力についてだらだらと余計なことも含めて書いてしまったが、結局のところ、競技性が1番(鮎だけは人に負けたくない?)、後の理由はそのおまけというか、いい訳とったところでしょうか?もちろん、みんなとワイワイ遊びの鮎釣りも趣味としては大変楽しいけれど。以上


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